
「ハピクル フルフル もう だいじょうぶ」
てんしが じゅもんを となえると
ないてるこどもは ほら すぐげんきになるよ
それが てんしの おしごと
こどもにしか みえない てんしは
いつも こどもたちを たすけているのです

おや
こどもと いっしょに ないている
てんしが います
クルクルといいます
クルクルは まだ おしごとを
はじめたばかりの てんしです
こころの やさしい クルクルは
こどもと いっしょの きもちなって
ないてしまい なみだで じゅもんを
となえることが できません

てんしは かみさまの ところへ いきます
「ボク このおしごと やめようと おもうのです
ボクは いっかいも こどもたちを
たすけることが できません」
かみさまは いいました
「ふむふむ それは ざんねんじゃ
でも さいごに もういっかいだけ
おしごとを たのんでも いいかな」
かみさまには なにか かんがえが あるようです

かみさまに いわれたばしょへ いくと
やまからきた こどもの おにの
オニくんが あばれていました
こどもたちが ないています
「はやく みんなを たすけないと
ええと、ええと、ハピクル…」

じゅもんを となえようとした そのとき
あせった クルクルは オニと
いっしょの きもちに なってしまいました
「あばれてやるー!どけどけー!」

そのとき ふと クルクルは
オニくんの きもちが わかりました
「キミ、もしかして さびしいのかい?
トモダチが ほしいんだね?」
すると オニくんは ポロポロと なきだしました
「うん、ほんとは トモダチが ほしくて
まちに きたんだけど みんな
ボクの すがたを みるだけで にげちゃうんだ
だから おこって おいかけちゃうんだ」

「ボクはね ダメな てんしなんだ
すぐ なみだが でちゃって
じゅもんが となえられないの
さいごの おしごとも しっぱい しちゃったんだ」
「ごめんね、クルクル ボクのせいだ」
「ちがうんだ ボクが なきむしだから」

すると こどもの なきごえが きこえてきました
まいごに なったようです
オニくんは
「ボクが いくと また こわがられちゃう」
クルクルは
「どうしよう おうちに かえれないんだね」
また こどもと いっしょの きもちなり なきだしました
オニくんは クルクルをみて
よいことを おもいつきました

「クルクル
ボクに げんきと ゆうきを くれないか」
「オニくん
キミ こどもを たすけたいんだね」
クルクルは オニくんの きもちが すぐわかりました

「ハピクル フルフル もうだいじょうぶ」
クルクルは なかないで
じゅもんを となえることが できました

オニくんは げんきと ゆうきが でてきました
「このこの おうちを だれか しりませんかー!?」
オニくんは まちじゅうの みんなに
こどもの うちを きいて まわりました

そして こどもを いえまで おくりとどけました
こわがられていた オニくんは
まちの みんなに かんしゃされました

クルクルは
はじめて おしごとを やりとげました
そこで こんどは オニがいいました
「ハピクル、フルフル
キミも もう だいじょうぶ」

もちろん オニくんの じゅもんは
そんな ちからは ありません
でも クルクルは げんきがでて
また おしごとを つづけようと おもいました
オニくんには トモダチが たくさんできました

クルクルと オニくんは
こころが わかりあえる
ほんとうの トモダチに なりました
かみさまは そっと ふたりを みまもりました
「ハピクル フルフル
もうだいじょうぶ」

